配電2.5 送電線が三本で済む理由は?

こんにちは、東北制御です。
前回、配電② 単相3線式って?一番身近な配電方式!【TCSコラム】では単相3線式について見ていきました。
今回は三相3線式のご説明の前に、電線編②で省略した「6本の電線をどうやってまとめれば3本で済ませられるのか?」をお話したいと思います。

三相交流に帰り道はない?

さて、始めに単相3線式の電気の取り方を思い出してみましょう。
※~マークは電源、□は負荷を表します。(負荷=使いたい電化製品ととりあえずお考えください)


こんな感じで電気を取ることができましたよね。電気は中性線を通り、行って帰ることができました。

一方ここで三相3線式を考えます。
三相3線式は基本的に電線一本に一つの負荷をつける形で使用されます。これは三相3線式がモーターを使用するために使われる方式だからなのですが、その話はまた次回に致します。

とりあえず見てみましょう。

帰り道が…ない…!?
ですが大丈夫、帰り道はちゃんとあるのです。

 

段階に分けて考える

まずは3線をこんな風に分解して考えてみましょう。

単純に行って帰ってくるならばこういう形になります。
この場合ですと、電線は6本必要になりますね。


次にこの3つの帰り道をまとめてしまいます。

そうするとこんな感じですね。

 

ここで大切なことを思い出してください。
電線② 電線が三本あるのはなぜ?でも登場しましたが、
三相交流はどの地点でも電圧・電流を足した和が0になります。


つまり、この帰り道に電流は流れないので、電線はいらなくなります


するとどうなるかというと…

こんな形になります。最初の形になりましたね!
なんだか不思議な感じがしますが、このようにして帰り道が省略され、電線は3本で済んでしまうのです。

 

ちなみにこれを書き換えたものがこの図になります。


これが三相3線式での結線(=配線)で、この形をスター結線と呼びます。

 

さて、ここまでご理解いただけたしょうか?
次回こそは三相3線式についてです!
>>配電③ 三相3線式!単相3線式との違いは?【TCSコラム】

東北制御でした。